最近の薬の種類と選び方の傾向
最近では、ステロイド外用剤の中にも、抗生物質が配合された薬が登場しています。その結果、細菌による炎症を抑えつつ、皮膚組織の回復を早めたりすることができるようになってきています。
そのほかにも、近年薬は目覚しい変化を遂げていますが、皆さんは、「アンテドラッグ」という薬をご存知ですか?アンテドラッグとは、患部では強い効果を示すものの、体内に吸収されると分解して、低活性の物質にかわる分子構造に手を加えられた、全身性の副作用が少なくなるように開発された薬です。
このように聞くと、「アンテドラックは安全な薬!」と考えてしまいますが、これはあくまでも「全身性副作用」に限っての事です。「患部では強い効果を示す」ということからもわかるように、実は、アンテドラックの局所性の副作用については、普通のステロイドと変わりがありません。
また、そもそもセルフメディケーションでは、全身副作用が起こるほど多量なステロイド外用剤を使用することはありません。アンテドラックも普通のステロイドと同じように「使用上の注意」を守って使うことが大切です。
そのほかにも、最近では、「スイッチOTC」といって、これまでは医療機関で医師による処方がないと手に入らなかった薬が大衆薬として薬局などで買えるようになってきています。残念ながら、湿疹・皮膚炎については今のところ、スイッチOTCはありませんが、今後、また新たな薬が待ち望まれているのは、他の薬と一緒です。
このようにセルフメディケーションで管理できる症状であれば、病院へ行かなくても薬局の薬で上手に対応する事が可能になっていくことで、湿疹・皮膚炎に関してもセルフメディケーションの幅が広がっていくことでしょう。
どの薬を使用して良いか分からない場合は、気軽に薬剤師に相談してください。その際、過去に薬でトラブルになった経験がある方はその事もしっかり伝えてください。また、炎症がひどかったり、セルフメディケーションに不安があったりする場合は、すみやかに病院へ行ってお医者様に相談しましょう。症状の原因を見きわめていただいて、最適な治療を行うようにしてください。
ぜひ、今回紹介した薬の種類と選び方を参考にしていただいて、湿疹・皮膚炎・かぶれについても日頃のセルフケアでしっかりコントロール出来るようにしましょう。